「AD(アシスタント・ディレクター)って大変でしょう?」とよく聞かれます。そこでこの場を借りて、表題『極私的AD大変なこと・面白いこと』をご紹介しようと思います。
一番大変なことは不規則なスケジュールです。急に仕事が立て込むため、なかなか予定を入れられません。「今日は合コンだー!」と午前中に喜んでいた人が、夜にものすごい怖い顔をしながら仕事をしている時があります。また、一度編集作業が始まると一日が長くなります。スケジュールに堂々と「10:00〜30:00 VV(スタジオでの本編集作業)」と貼りだされます。最初「そうか、一日は24時間ではないのか!」と妙に感動しました。
面白いことは、ある分野に妙に詳しくなります。フィギュアスケートの番組を担当したことで、ジャンプの種類が助走段階で分かるようになりました。「真央ちゃんはアクセル得意なのにサルコウ苦手だよねー。やっぱタイミングがさー」と知ったかぶれます。また、近現代史の番組を担当したことで、教科書に登場した歴史上の人物だった首相や大臣が、今や親戚のおじさんくらい身近に感じています。ただし、次の番組が始まれば溜め込んだ知識は、新たな知識に押し出されてほとんど忘れてしまいますが・・・。
もう一つこの仕事で面白いと思うことは、どんなことでも企画になる可能性があることです。「日常の一コマからのなにげない発見を、企画に結びつけよ!」とは某プロデューサーの名言。そう、私が今見ている漫画だって、お笑い番組だって、居眠り中の夢だって企画のタネになるんです(多分)。
楽しい仕事です。なぜか大事な予定がある日に限って、面倒な仕事が舞い込む時以外は・・・